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仲林工業では、50年以上培われてきたノウハウを基に、今でもよりベストな縫製を研究、追求しています。しっかりと縫い合わせるべきところは2本針で、広がったり縮んだりするすそ部分は動きに柔軟な1本針でと、ミシンを使い分けるのはもちろんのこと、ボディカバーとしての効果を見据えた、かつシンプルな縫製を心がけています。
衣類などの縫製関係に詳しくない方からすれば、初見時に「え? こんなものなの?」と思われてしまうかもしれません。
各箇所の縫い目・縫製について解説します。
写真のカバーは「腹下通しの2.8メートル留め具×すそ紐絞り加工」、「膨らみ防止の通気筒」装備の仕様ですが、その他の仕様でも縫い目・縫製は基本的に同じです。
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反物の織地(生地)は、両側に「耳」というものが存在します。私どもは業界用語で「ブルドーザー」と呼びますが、まさにブルドーザーのタイヤ跡のような「耳」です。穴のようなものも点在しています。これは切り落として上のように折り返しのうえ縫製した方が見た目は美しいのですが、「耳」はまず千切れることも裂けることもない非常な強度を持っています。この強度を活かして、仲林工業は「耳」の利用できる箇所はあえて「耳」を残したままの折り返しを行います。
※「耳」は凹凸があるため、その上を走る糸(縫製ライン)がブレてしまうことがありますが、カバーの効果・使用には問題ありません。
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装着前のこのように広げた状態では、「いびつ」に見える形状に驚かれるかもしれませんが、車に装着して留め具を絞ると、車体のボディをしっかり包むラインとして収まります。
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左の生地と右の生地を縫い合わせていますが、左の生地が「瓦」のように右の生地に被さったうえで、2本の糸が通っているのがわかります。
これは私どものなかで文字通り「瓦縫い」と呼び、雨水が流れ落ちる際に、できるだけ縫い目から内部へ侵入しないようにと考慮された縫い方です。つまり、写真で言いますと、車体に装着した際、左側が上(空)、右側が下(地面)になります。縫製ラインにより部分的に異なることもありますが、基本的には「瓦」の役目になるように、この縫製がなされます。
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もっとも、灰色の糸もボディに傷をつける材質ではないのですが、永く使用いただいた際のボディへの影響に少しでも差が出ることを考慮し、結果的に使用する糸にも種類を設けています。
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バックルを嵌めたり外したりと、ここも動きのある箇所のため1本針ですが、縫い付け強度も必要なため、2本針ではなく1本針による3回縫いを行っています。