長持ちするカバーの開発をやめた理由

ボディカバーは、長持ちすればいいというわけではない!?

消耗品といえど、いや、消耗品だからこそ、お客さまがその商品に耐久性を求められるのは当然のことでしょう。ボディカバーも同じです。仲林工業でも一時、現在の生地よりも長持ちのするカバーを企画致しました。
とはいえ、生地でできているカバーの耐久性を増すにはまず生地の強度を高めざるを得ません。生地を強くする方法としては、生地を厚くすること、また、織っている糸自体を強いものに変える等があります。
しかし、どちらにしましてもコストが予想以上に発生し、現在販売しております価格にその分が上乗せされてしまいます。要するに、カバー1台分の単価が上がってしまいます。

そこで疑問が浮かびました。耐久性と比例して単価も上がるのであれば、長持ちすればいいというわけではないのではないか? と。
カバーの生地が強くなることでボディカバーとしての効果が増すのであれば話は別ですが、効果は同等で、ただ耐久性だけが伸び、その分、値段も高くなるのであれば、現在の価格のままの現在のカバーを、寿命の都度、買い替えていただく方が良いのではないか。

わかりやすく説明しますと、2年が平均寿命の30,000円のボディカバー(A)と、4年が平均寿命の60,000円のボディカバー(B)があれば、お客さまはどちらを使用されるでしょうか。
ボディカバーは使用年数によって汚れ、傷み、効果は下降していきます。
2倍の耐久性があるからといって、最初の2年と、3年目~4年目の2年とでは、ボディカバーの効果は後半の2年が劣っています。言い換えましたら、伸びた耐久年数分、中古のボディカバーを使用しているのと同じ状態です。
それならば、価格が半分のボディカバー(A)を2台、連続使用した方が、2年スパンで新品の効果を充分に見込むことができます。

それでは、2年が平均寿命の30,000円のボディカバー(A)と、4年が平均寿命の50,000円のボディカバー(C)ではどうでしょうか。
先ほどはちょうど2倍だったので、明らかにボディカバー(A)が良いことはわかっていただけたかと思います。
この場合は悩みどころかと思いますが、耐久性が伸びた分の2年間のために、中古のボディカバーを20,000円で使用するかどうか、と転換していただければ、答えが出やすいかと思います。
中古でも、価格の安さを求められる方がいらっしゃるかもしれませんし、やはり短いスパンで新品を、と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、ここでちょっと念頭に入れていただきたいのが、カバーは盗難に遭ったり、いたずらされる危険性もあるということです。いたずらも、生地を裂かれてしまえば、もうカバーとしての使用はできなくなります。
このときは、ボディカバー(A)の方が、良かったと思われるでしょう。もともと耐久性は高くなく、(B)や(C)よりも安かったからです。
また、予定よりも早くお車を買い替える状況もあります。あまり言うべきことではないですが、お車自体が破損したり、盗難に遭うこともあります。この場合もそうです。
これらの、まだ寿命に満たないカバーの使用が継続できなくなった状況のお客さまは、仲林工業のデータからして160人~170人に1人おられます(弊社にお知らせくださった数ですので、実際はもっとおられるかもしれません)。

これら、カバーの使用継続ができなくなる場合(いわゆるデメリット)も含めましたら、(A)の方が良いと考えました。

もちろん、わずかな値上がりで耐久性がぐんと伸びるのであればそれに越したことはありませんし、そうであれば仲林工業でも厚めの生地や強めの糸で新たな商品を開発するのですが、値上がりするその金額と天秤にかけまして、その分の耐久性の増加は、あまりメリットがないとの判断を下しました。そのため、現状、上記平均寿命のボディカバーのご提供となっております。

★実は、カバーの寿命が短い環境ほど、ボディカバーは必須のアイテムであり、使用されることは賢明です。その分、お車に影響するはずであった外部からの被害を、カバーが代わりに受けたからです。


お車の保護が二の次になってしまうお客さま

ボディカバーの寿命を延ばそうと、色々なご提案をされたり、実際に実行してしまう方がおられます。

例えば、カバーのはっ水性が失われてきたため、市販の防水スプレーを噴射したり、ルーフ部分の生地が真っ先に破れてしまうため、ルーフ部分のみ生地の二重縫いを行う等です。これらにはデメリットがあります。防水スプレーの噴射は、カバー表面のコーティングと化学反応を起こして溶け合い、最悪の場合、ボディに染み込んでしまうことがあります。
また、生地の二重縫いは、その分、生地と手間がかかるため価格が高くなるうえ、蒸れを招き、お車そのものに悪い環境を与えることになります。

ボディカバーの寿命に意識を向けるあまり、お車を保護するボディカバーが結果的にお車を害するアイテムになってしまっては、本末転倒です。